2017年9月28日木曜日

#大風呂敷みっけ ―大風呂敷とさっぽろ― 後編

サカナ通信#02 ガラクタの星座たち号が発行されました。

#01に引き続き、大風呂敷みっけ ―大風呂敷とさっぽろ― 後編」をサカナ通信さんのご好意により転載させていただきます。
大風呂敷みっけ ―大風呂敷とさっぽろ― 前編」はコチラ

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札幌国際芸術祭2014の特別プログラムとして行われた【フェスティバルFUKUSHIMA!北3条広場で盆踊り】は、たべるとくらしの研究所の理事長 安斎伸也さんの声がきっかけだった。東日本大震災以降、ちぎられるように故郷を離れざるを得なかった、たくさんの人たち。彼もその中の一人だ。地元福島で行われた盆踊りを、遠く離れた札幌でもやりたい!との強い思いが実現に繋がった。

2016年の2月。札幌国際芸術祭2017のゲストディレクターに就任した大友良英さんが市民と一緒につくる芸術祭を象徴するプロジェクトとして【大風呂敷プロジェクト】を立ち上げると発表。
大友良英ゲストディレクターのオーダーは、ただひとつ。和をつくるのはよいことだけれども、その輪の外にいる人にこそ目を向けてほしい、ということ。一般の人たちとの協働で作品を作ることも多い美術家の中崎透さんはこう話す。
「たくさんの人が関わると面白いけど、面白いってことは大変ってことだから。一長一短ってこと。どっちもありなんですけどね」
さて、どのように多くの市民を巻き込んでプロジェクトを組み立てていくか。

20161123日、おおどおり大風呂敷工場オープン。手探りで稼働を続けるうちに、次第に参加者は増えていった。初めて訪れた人が次は友人を連れてくる。「今度は母を連れてきます!」「娘なんです…連れてきました!」新しい出会いあり、再会あり、工場に設置されたミシンはどんどん埋まっていく。たくさんの数を量産する人がいれば、どんどん大きく縫い繋ぐ人も。最初の年にあれほど苦労して縫っていた10m×10mを一人で仕上げる人も現れた。全く知らない人どうしが顔見知りとなり、困っている人にはさりげなくアドバイスをする。ただひたすら、ミシンを踏み続けるのもあり。美術部の高校生、小学生、老人施設の凄腕の方々…と、参加する人々も様々に広がっていく。【大風呂敷プロジェクト】は当初の不安をよそに、しっかりひとり歩きをしていた。参加者は1,700人を越え、市内の各所に設置した回収ボックスに布を持ち寄っての参加の方を数えると、参加者はかなりのものになる。

3月に開催された大風呂敷サミット、さっぽろ八月祭2017には福島、愛知、東京など全国の大風呂敷工場の人々も集った。日本のあちらこちらで顔を合わせ、繋がった人たちが一同に会する。
「大風呂敷をやるようになって、日本が狭くなった気がする」前回の大風呂敷サミットでの建築家のアサノコウタさんの言葉を実感する。

おおどおり大風呂敷工場では雨にも関わらず今日も、ミシンが満席状態。大風呂敷の大きさは2011年に四季の里に敷かれた6,000㎡を越えた。(9月13日現在)
「どんな風に組み合わせても、全部を合わせると、ぜったいきれいになるんですよ。それが大風呂敷マジックなんです」と言ったのは、美術ライターであり、今回の芸術祭のバンドメンバーでもある坂口千秋さん。

930日。モエレ沼公園で大風呂敷はどんなマジックをみせてくれるだろう。
(テキスト:わたなべ ひよひよ ひろみ)

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